ボタンの留め外しが出来ない

発達障がいの方の服の悩みでもよく聞く「ボタンの留め外しが出来ない」について、みなさんの工夫やこうしたら出来たよ!!などの体験談をご紹介します(*^▽^*)


中度の自閉症・ADHD
支援学級に通う中学生
男の子 H君の場合

制服のワイシャツはボタンが小さくて第1ボタンまでつけることがすごく難しいので、第4ボタンくらいまでマジックテープにし、表から見るとボタンが見えるようにボタンを縫い付けています。

ワイシャツの1番下のボタンがはめる時にずれたりするので、ボタンホールを黒く塗って、ボタンも同じ色で目印を付け、そこからスタートということがわかりやすくしてあります。
ポイントは全部をマジックテープにせず、本人がそれほどストレスにならない程度にボタンの練習ができるように配慮したところです(*^-^*)


重度の自閉症スペクトラム
男の子 N君
​幼児~小学生の頃の話

ボタンは摘まみやすく、厚みのあるもので、布地とは違う色のものを選びました。
​パジャマで毎日練習をしたので、すぐ習得しましたが、視覚的な刺激と触覚過敏でボタンの存在が気になり眠れくなってしまいました。
​その経験から、出来るようになることは、本人にも良いことだと思いますが、出来なくて本人の意欲低下や自尊心が傷つくのは違うと思います。
​障がいをもつ子どもに合ったものや、少しずつハードルを上げ下げしながら、成長に合わせた支援を継続したいと思います。
​子どもが小さいときは○○ができないと将来困ると必死になっていたこともありますが、子どもが成人期になり、今ならもっと子育てを楽しめたと思います(*^_^*)


てんかんを伴う中度の知的障害
女の子 Aちゃん
幼児期の頃のお話

てんかん発作がきつい時期はボタンをかじって服がよだれでビショビショになってしまいましたので、長くボタンのない服を着ていました。
​年長の時はボタンのあるパジャマ着て練習していました。
​大きいボタンのものを選び、『逆の順番で教える』方法で教えていました。
ほとんどやってあげて、最後の簡単な1つだけやらせる教え方です。
​いろいろ出来てほしくて、やらせてきましたが、今になって思うと、かなり期待し過ぎて、無理をさせてしまったかもしれないです。
​いろんな支援を使って、親も休みながら楽しんで子ども時代を過ごしてほしいなと思います。


中度の自閉症スペクトラム
女の子 Kちゃん
​幼児期の頃のお話

手先が不器用なので、通っていた園では、ねんど遊びやコップ付きの水筒で指先や手首を使う練習や集中することを身に付けられる取り組みをしてくれていました。
​家ではボタンのついたパジャマを着せて、親がボタンを引っ張り出すところまでして、子どもにボタンを引っ張る作業をしてもらい、出来たら誉める!!ところから始めました。
​徐々に親がボタンを入れてあげる幅を少なくし、自分でボタンが留められるようになりました。


中度の知的障がい
女の子 
​幼児期の頃のお話

園ではボタンが大きく、ボタンとボタンホールの色が同じパジャマで練習していました。
​家では、ぬいぐるみのボタンを留める練習をしていました。
それが出来たら、パジャマのボタンを最後引っ張るだけの状態にし、上手く引っ張れたら誉めて、成功体験を増やしていきました。
​気が散ることも多いので、パジャマを着ることだけに集中できる空間をつくることも必要でした。
​徐々に、手伝う部分を減らしていきボタンを1人で留められるようになりました。